【ダブル】サイドチェンジ考察

USUMで教え技として解禁されたサイドチェンジに関する考察。

 以下の行動経済学の理論についてご存知だろうか?

プロスペクト理論

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質問1:あなたの目の前に、以下の二つの選択肢が掲示されたものとする。

1.選択肢A:100万円が無条件で手に入る。

2.選択肢B:コインを投げ、表が出たら200万円が手に入るが、裏が出たら何も手に入らない。

質問2:あなたは200万円の負債を抱えているものとする。そのとき、同様に以下の二つの選択肢が掲示されたものとする。

1.選択肢A:無条件で負債が100万円減額され、負債総額が100万円とする。

2.選択肢B:コインを投げ、表が出たら支払いが全額免除されるが、裏が出たら負債総額は変わらない。

質問1は、どちらの選択肢も手に入る金額の期待値は100万円と同額である。にもかかわらず、一般的には、堅実性の高い「選択肢A」を選ぶ人の方が圧倒的に多いとされている。

質問2も両者の期待値は-100万円と同額である。安易に考えれば、質問1で「選択肢A」を選んだ人ならば、質問2でも堅実的な「選択肢A」を選ぶだろうと推測される。しかし、質問1で「選択肢A」を選んだほぼすべての者が、質問2ではギャンブル性の高い「選択肢B 」を選ぶことが実証されている。

この一連の結果が意味することは、人間は目の前に利益があると、利益が手に入らないというリスクの回避を優先し、損失を目の前にすると、損失そのものを回避しようとする傾向(損失回避性)があるということである。

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 ※以上、Wikipediaより引用

端的に言うと、「人は損失を恐れる」ということだ。

この理論をダブルバトルにおけるサイドチェンジに応用する。

考察を簡素化する為に、以下の前提を組む。

 

前提1:サイドチェンジ使用側プレーヤーをA、相対するプレーヤーをB、Aの使用ポケモンをa①(サイドチェンジ使用)・a②とする

前提2:Bはa①及びa②のポケモンの「型」を知らない

前提3:a①・a②の「横の並び」は良好(ex.エスパータイプ&ノーマルタイプ)

 

・状況 ⅰ:サイドチェンジ未使用時

B視点では、「a①がサイドチェンジを使用する”かもしれない”」と疑念に駆られるが、「a①がサイドチェンジを所持しているかどうかも分からないのに、サイドチェンジを使用すると深読みしたが故にa①側にa②(a②側にa①)への有効打を打った結果、失敗すること」(質問1の選択肢B)を嫌うので、a①側にそのまま有効打を打つ可能性が高い。

一方のA視点では、「サイドチェンジを使用することでa②がa①(a①がa②)への有効打を引きつけることができる」可能性が高い(質問1の選択肢A)ので、サイドチェンジを使用する可能性が高い。

 

・状況ⅱ:サイドチェンジ使用後

B視点では、「サイドチェンジを使用してくることが分かったが、更にサイドチェンジを使用されるかどうか分からない。それならばそのまま素直に有効打を打ってA側に打撃を与えることができない(質問2の選択肢A)よりも、博打でa①側にa②(a②側にa①)への有効打を打ってみよう」と、質問2の選択肢Bの行動を取る可能性が相対的に高まる。

一方のA視点では、「サイドチェンジを使用することが知られてしまった為に、更に使用することでサイドチェンジ読みの行動を受けてしまい、サイドチェンジを使用することが仇となってしまうこと」(質問1の選択肢B)を嫌うので、サイドチェンジを使用する可能性が相対的に低くなる。

 

 

状況ⅰではA側がサイドチェンジを成功させる確率が非常に高く、状況ⅱではA側がサイドチェンジを使用する可能性が低くなっているにも関わらずB側がサイドチェンジ読みの行動をしてしまう可能性が高くなっているので、依然としてA側に分があると言える。

 

結論→”サイドチェンジは強い”