積みサイクルを組むのであれば

巷で”積みサイクル”と呼ばれる構築として、

「ガブハッサムカイリュー」「カバルカカイリュー」「バンギランドアロー」

等が代表的な例として挙げられる。

上記の例のように展開指導要員+展開要員2枚を軸として構成される”積みサイクル”に関して、当ブログでは展開指導要員に重きを置いて記事を執筆していたが、今記事では展開要員2枚の並びについて考察する。

ハッサムカイリュー」「ルカカイリュー」「バンギアロー」

此等の並びの通有点は、超大雑把に言えば”役割を補完した並び”である。

例えば「ハッサムカイリュー」では、カイリューの苦手なフェアリータイプに対してハッサムが強く、ハッサムの苦手な炎タイプに対してカイリューが強いという並び。

積みサイクルにおける”役割”というものは、細分化すると”起点対象”と”技範囲”に基づいて成り立つ。

この”起点対象”と”技範囲”の補完が2枚で綺麗に成されている並びが、これまでに”積みサイクル”の綺麗な形とされてきた。

しかしポケモンの種族が増加するにつれて、”技範囲”の補完は意味を成さなくなる。

此方の並びをa(展開指導要員)、b(展開要員1)、c(展開要員2)とすると、

b、cに対する圧倒的な”ストッパー”の種族が増加の一途を辿っているからである。

ハッサムカイリュー」であれば「クレセドラン」を突破することはできない。

ハッサムクレセリアを起点対象とし、カイリューヒードランを起点対象とするものの、ハッサムの技範囲ではヒードランを突破できず、カイリューの技範囲ではクレセリアを突破できない。

2枚で”技範囲”を補完しようとすることの、唯一で最大の弱点である。

これが”積みサイクルは終わった”と言われる所以である。

b、cのそれぞれのストッパーを1匹で見れるdを、更にb、dまたはc、dの並びでは突破できない相手の並びをそれぞれ1匹で見れるe、fを投入することでa、b、c、d、e、fの並びを形成することでこの問題を解決しようとした。

しかしストッパーの種族が多すぎる故に、相手の如何なる並びにも対応できる並びを形成するには、この作業を相当数繰り返さなければならないし、そもそも起点対象も上手く補完できなければならず、困難を極めた。

打開策は何か?

”役割集中”しか無いだろう。

b、cに共通するストッパーをbで誘い出し、bが倒されてもストッパーに対してcで展開しながらストッパーとしての役割を破壊してフィニッシュまで持ち込む。

世代が進んだ今、”積みサイクル”を”積みサイクル”として扱いたいのであれば、”起点対象の補完”を意識しながら、”範囲の補完”に走らず”役割集中”に重きを置く他無いだろう。